シーバスフィッシングにおいてリールを選ぶ時は、番手やギア比などを選択する必要性があります。シーバスがヒットしたときに焦らずやり取りを行い、1匹でも多くのシーバスを獲るために快適でありながらトラブルの少ない最適なリール選びが大切です。今回は、シーバスリールの基本的な選び方とおすすめのリールをご紹介します。
シーバスリールの選び方

スピニングリールは汎用性の高さが魅力ですが、狙うターゲットによって適した糸の太さ、さらには糸巻き量が異なります。スピニングリールには“番手”(サイズ)というもがあり、各ターゲットのサイズやシチュエーションに応じて番手を合わせる必要があります。
シーバスで使うリールは、「スピニングリール」が基本です。スピニングリールにはさまざな種類がありますが、その中からシーバスに適したものを選ぶときには、大事な3つのポイントがあります。
①番手(サイズ) | ②ドラグ性能 | ③ギア比 |
以上の3つです。これらのポイントを踏まえて選ぶことで、失敗のないシーバスリール選びができます。
スピニングリールのサイズ選択

シーバスフィッシングに最適なリール番手は、「3000番もしくは4000番」です。
番手とはリールの大きさ・糸巻量を表すもので、スペック表やリールに印字されている数字をもとに確認できます。
シマノ「C3000」「3000」「4000」
ダイワ「LT3000-C」「LT3000」「LT4000-C」
がシーバスリールとして最適な番手です。
3000番サイズは港湾部・湾奥エリア向け

3000番サイズは軽量かつコンパクトで操作性が良く、港湾部や湾奥などの小〜中規模なフィールドに適しています。
4000番サイズにはパワーで劣りますが、これらのフィールドでは強い巻き取り力が要求されないため、軽量な3000番サイズがおすすめです。
バチ抜けなどの比較的軽量なルアーを使う場面や小場所を打っていくシュチュエーションでは取り回しがよくおすすめです。
4000番サイズはサーフ・大型河川・磯向け

4000番サイズは巻き取り力に優れ、ラインキャパが多く飛距離を伸ばせるメリットを持っています。サーフや磯・大型河川向きで中〜大規模なフィールドに適しています。
シーバスとの強引なやり取りが想定されるシチュエーションでは、巻き取り力の強さは大きなアドバンテージになります。
またスプール径がワイドでライン放出の際の抵抗が少ない状態は、飛距離が必要な場面でのシーバスや、サーフのヒラメなど、フラットフィッシュを釣る際の候補としてもベストな番手サイズです。
ドラグ性能

スピニングリールには、大きな魚の引きや急激な負荷が掛かったときにラインの限界を超えてラインが切れないように自動的に送り出す機構「ドラグ」というものが付いています。
前述のリールサイズを合わせていればシーバスフィッシングの場合、基本的なドラグ性能は満たされている場合が多いです。
ドラグ設定はタックルバランスとの兼ね合いになります。ロッドが柔らかい場合(L〜ML)には、フッキングの力がロッドに吸収されてなかなか魚に伝わりません。そこで、柔らかいロッドの場合、ドラグを2kg程度に設定しても大丈夫です。
逆にロッドが硬め(M〜MH)の場合はロッドが硬い分、フッキングのチカラは伝えやすいのでドラグをゆるめ1.5kg程度にしても大丈夫です。
すべではロッドの硬さ・ラインの強度・フックの軸径やサイズのバランスでドラグ値を決めることになります。
ドラグ性能は実際に試さないとわかりません。自分の通っているフィールドのアベレージサイズやタックルバランスを考慮して導き出してみましょう。
ペットボトルで計測する方法もありますが、下記のドラグチェックツールもありますので参考にしてみてください。
ギア比

スピニングリールの性能を決める要素にギア比というものがあります。ギア比とは、ハンドルを1回転させるごとの糸巻き量を比率で表したものです。
スピニングリールにおけるギア比は、「ハンドル1回転あたりにローターが何回転するか」というものを表した数値です。つまり、ギア比5ならばハンドルを1回転させればローターが5回転します。
メーカーや機種ごとに微妙な差はありますが、ギア比5未満のものがローギア(パワーギア)、5〜5.7のものがノーマルギア、5.8〜6.1のものがハイギア、6.2以上のものがエクストラハイギアと呼ばれています。
ノーマルギアの特徴
光量の少ないナイトゲームではシーバスがルアーを見つけにくく、ゆっくり誘う釣りが中心となるのでノーマルギアが適しています。
ノーマルギアは巻き上げトルクが高く、少ない力で回転するので低速巻きに向いていて、繊細な釣りをすることが可能です。
また、巻き上げトルクが高いので大型魚とのやりとりや重たいルアーの操作が楽なこともメリットです。
ハイギアの特徴
デイゲームでは、魚にルアーを見切られないように速めの速度でアプローチする釣りが中心となるため、ハイギアが有効です。動かすことの多いテクニカルな釣りに適しています。
ミノーや鉄板バイブレーションなどを速巻きしてリアクションバイトを誘う釣りにマッチしており、巻き感度の高さもメリットです。
ルアーの回収が早いため、広いエリアや流れが強い河川、磯など様々なシュチュエーションに対応します。近年はラインメンディングもしやすいハイギアが人気の傾向にあります。
シーバスリールのおすすめ10選

一般的にリールのなめらかさはベアリング数や各部の素材のよさで決まり、それらは価格に比例する傾向があります。
まずは低価格なリールからシーバス釣りを始めるのも手ですが、初心者の人にこそ、長く快適に楽しむために性能のしっかりしたトラブルの少ない中価格帯のリールから始めることをおすすめします。
ダイワ フリームス

ダイワ独自の基準であるライトタフやザイオンという超軽量な素材をローターに使用するといった軽量化へのこだわりが詰まっています。またタフデジギアを搭載し、ノイズを抑制しながらも滑らかな回転を長く続かせることができます。ハイコストパフォーマンスモデルとして多くのアングラーが使用しています。
シマノ ヴァンフォード

マグナムライトローター軽量化に成功しつつ、左右非対称の構造が操作のしやすさと感度のよさを実現しました。ベールの開閉角度も広くすることで、不意のベール返りもしにくくなっています。さらにロングストロークスプールで飛距離がアップ。今までルアーが届かなかったポイントまで届くことも期待できます。
ダイワ カルディア

21年モデルには素材にザイオンVとモノコックボディを採用し、剛性は向上させつつ省スペース実現しました。広くなってスペースにこれまで入らなかった大きなギアも搭載できるのでよりパワフルに活躍します。またマグシールドの液体で液体を防ぐという防水機能により、従来からさらに高い防水構造となりました。
シマノ ヴァンキッシュ

ヴァンキッシュはMGLシリーズの頂点として登場し、圧倒的な軽さと巻き心地で、アングラーを魅了している人気リールです。2023年NEWモデルは、22ステラに比べ28%低慣性になっているそうで「巻きがさらに軽い!」と言われています。
スプールの上下動がゆっくりになっている超密巻き機構は「22ステラ」にも採用されている、「インフィニティループ」が搭載!飛距離UPへ大きく貢献しています。
「22ステラ」に搭載されたインフィニティクロスを採用し巻き上げは軽いまま、よりパワフルに巻ける機構に進化しています。
ラインローラーの下部に“アンチツイストフィン”と呼ばれる弾性体のフィンが設置これがラインのたるみを抑えてくれることで、スプール株にラインが落ちたり、ラインがよれたままスプールに巻きつくライントラブルを軽減してくれます。大注目のヴァンキッシュを試してみてはいかがでしょうか。
シマノ エクスセンス

シーバス専用に作り出されたエクスセンスは、シーバスのみならず、ソルトルアーゲームで非常に人気のシリーズです。ボディが20gも軽量化し、更に感度が上がり、マイクロモジュールギアなど、ハイエンドリールに使われる装備を惜しみもなく使われています。
感度、強度、巻きの軽やかさ、シーバスフィッシングに必要な要素を全て感じられるリールです。外見もマットブラックでとてもカッコよく、ロッドとの相性も抜群で合わせやすいので人気機種となっています。
ダイワ ルビアス

モノコック×ZAION構造による強靭ボディや、巻き感に優れる精密なタフデジギアが搭載されているルビアスはさらに強く、さらに軽く進化しました。ラインローラーは2ボールベアリング仕様で、カルディアよりもさらに回転が軽く、糸ヨレも軽減してくれます。ローターもザイオン製なので軽くて強く、回転レスポンス・剛性ともにレベルの高いリールです。
シマノ ツインパワー

ツインパワーXDはこれまでの常識を覆す耐久性を継承しながら、大幅な軽量化を追求したモデルです。マイクロモジュールギアII、ロングストロークスプール、サイレントドライブといった機構を採用し、基本性能にも磨きをかけることで操作性も大幅に向上しました。また、ドラグには耐久性に優れたカーボンクロスワッシャ、スプールリングにはステラSWと同じバリアコートスプールリングを採用することで、よりタフに、より軽快なモデルとして人気を集めています。
ダイワ セルテート

ダイワ独自のライトタフコンセプトのもと、軽量しつつもパワフルな動きが可能。またストッパーレスボディにすることで、水や異物の侵入経路を減らし、ファイト中の不運なトラブルを限りなく軽減する構造をしています。ロングキャスト-ABSを採用して、ラインはスムーズに放出され、トラブルが起こりにくいです。今もなお、人気が衰えない機種になっています。
シマノ エクスセンスBB

シーバス専用機種としてリリースされているエクスセンスBBは、シリーズの中でも値段が抑えてあり、エントリーユーザーにも最適なモデルです。
値段が抑えてあるとはいえ、最先端技術のXプロテクトを搭載。防水性能が高まったことにより、ソルトのショアゲームをはじめ、ウェーディングやボートなどのシチュエーションでも力を発揮します。値段以上に高スペックなリールに仕上がっています。
ダイワ エアリティ

23エアリティの持ち味は、軽いのに強いというところです。フルメタルのモノコックボディを採用しながら、現行のスピニングリールのなかでもトップクラスの軽さを実現しています。
注目ポイントは、『エアドライブデザイン』で22イグジストで大いにフィーチャーされた、ダイワ製リールの新たな設計思想です。
フロントユニットが軽量化され、リール単体での重心バランスが良くなったという点にあります。旧モデルではお辞儀気味だったデフォルト姿勢がよりフラットに近づくことで、高い操作性を実現し、同時にロッドの感度性能も引き立ててくれます。「23エアリティ」は、いわば廉価版「22イグジスト」ともいえるリールで大注目のモデルです。
リールカスタムで愛着がさらに増す
釣りにおいて重要な役割を占めるリールはこだわって選んでいると思います。リール自体は購入時の状態でも十分使用できますが、改造・カスタム・チューニングを施すことで自分好みに仕上げるのも楽しみのひとつです。
一番釣り人が触れるハンドルノブから交換してみるのもおすすめです。

リール購入とともにぜひ握りやすくかっこよいハンドルノブを検討してみましょう。

最高のひとときをお気に入りのリールと共に
シーバスゲームに関わらず、「巻く」というルアーフィッシングに欠かせない、最も重要な動作を担うリールは、使うサイズなどによって釣果を大きく左右します。
適材適所でリールを使いわける事で、繊細に、豪快にと釣り方を変えることが出来ます。
ビックベイトから小型プラグと狙い方も様々なシーバスゲーム。
特に秋や初冬のウエイトののったビッグサイズには、4000番のリールが頼もしい相棒となります。
スピニングリールは繊細な機構を持っているので、メンテナンスは欠かせません。とくに海釣りでは、釣りから帰ってきたら潮を抜くためによく水洗いします。現在はほとんどのモデルが防水性能を持っているのでガンガンやっても平気です。
洗い終わったら水をよく飛ばして陰干しします。乾いたら取扱説明書記載の指定可動部にオイルをさしてあげれば完了です。これをするかしないかで、コンディションは大きく変わります。いつまでも最高のフィーリングを残すためにも、メンテナンスはしっかりやってあげてください。
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