マイクロベイトパターンなどのシビアな状況下で、レンジを刻みながらタイトに狙い、価値ある1匹に出会うために生まれたのがワイゾン77Sです。飛距離・アクション・レンジコントロール性に優れ、シビアな状況におけるナチュラルな喰わせ力に特化した新機軸のシンキングペンシルとなっています。今回は、シビアな状況も打破するワイゾン77Sジェットブーストをインプレします。
シマノ ワイゾン77Sジェットブーストの魅力とは?
名前の由来として、ワインディングロードを走るかのごとく左右にキレよくテールを振る姿と、水平(ホリゾンタル)姿勢の言葉を組み合わせてワイゾンと名付けられました。
マイクロベイトパターンにおいて、77㎜というサイズ感は飛距離性能を失わず、またナチュラルに魅せるための最適解な選択です。またサイズだけではなく、アクションにも徹底してこだわり、大きさによるアピール力の弱さを補ったスイングアクションとしています。水平姿勢を維持できるよう突き詰めたボディ設計で、ナチュラルにシーバスに口を使わせることが魅力です。
エクスセンスワイゾンの特徴
ワイゾン77Sは、アクション時のテールの振り幅がなるべく大きく出るようにこだわって開発を進められました。なぜなら77㎜というサイズは喰わせやすいというメリットがある反面、大きさによるアピール力が弱くなりがちになります。そこをアクションの大きさで補い、できるだけ高い集魚効果を発揮できるようにこだわっています。ワイゾン77Sはシャローからボトムまで、そしてリトリーブでもフォールでも常に誘い続けられる特徴を持っています。
小型ボディにジェットブースト搭載
圧倒的な飛距離を生み出すジェットブーストの性能を最大限発揮しつつ、水平姿勢を維持するために幾度となくテストしたウェイト配置です。フロントには固定式のタングステン球を使用しつつ、後方には重心移動を搭載したハイブリッド設計となっています。
アクションの質と水平姿勢にこだわったリップ
ワイゾン77Sに追求したのは、あくまでナチュラルな水平姿勢のスイングアクションです。通常、シンキングペンシルは後方重心にすることでリアテールを振らせるが、その一方でシビアな一匹を喰わせるナチュラルさは失われる。ワイゾンは水平姿勢を維持したまま、ベイトライクなスイングアクションを求められました。
そこで辿りついたのがリップの搭載でした。飛距離の低下の他、ミノーライクな派手すぎるアクションを生んでしまうデメリットがあります。これを解消すべく、ストレート部分を設けた微ラウンドリップに辿り着いた仕様となっています。
リップの効果で、アクション時は手元の引き抵抗が強まり、周囲が暗くて手元が見えづらいナイトゲームなどでは大きなメリットになります。さらに、流れの変化もわかりやすく、ただ巻きやドリフト釣法でもアングラーがルアーを繊細にコントロールしながらポイントを攻略することが可能になっています。
フォール姿勢も抜かりなし
ワイゾン77Sはボディ側面に設けたフラット面により、ホログラムカラーは広範囲にそのフラッシングを届けることが可能です。また、フォール時のアピールも重要なポイント。ボディを左右に揺らしながらシミーフォールすることで、常にシーバスに対して喰わせのきっかけを与え続けるルアーです。
シマノ ワイゾン77Sジェットブーストのスペック
比較的入手もしやすいルアーになるかと思います。値段も定価より安いケースもあり購入しやすさは◎なルアーです。
タイプ | 全長(mm) | 重量(g) | 飛距離(m) | 沈降速度 | スイムフォーム(角度(°)) | 流速スペック(cm/秒) | フック | 本体価格(円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シンキング | 77 | 13 | 50 | 22cm/秒 | 0 | 66~ | #8 x 2 | 2,000円 |
ワイゾン77Sのカラーバリエーション
カラーラインナップは7色展開しており、オーソドックスなラインナップとなっています。デイからナイトゲームまでシーンを選ばず万能に活躍するカラー選択が可能です。監修した川上靖雄氏は、購入する際に迷ったら「マルチフラッシュ」がおすすめとのことでした。
シーバス釣りにおけるワイゾン77Sの使い方
ワイゾン77Sの使い方は、巻きとフォールを入れた釣り方が得意なルアーです。基本性能についても泳ぎがしっかりしており、誰が使っても扱いやすいルアーです。その日の状況に合わせて、アクションを変化させて狙いのターゲットが釣れる使い方を覚えてみましょう。
ゆっくり魅せることが可能なただ巻き
基本となるただ巻きは、リップを搭載していることでしっかりとした巻き抵抗感と大きさによるアピール力の弱さを補ったスイングアクションが特徴です。通常のシンキングペンシル同様の使い方で、サーチ的に広範囲をただ巻きで探ってみましょう。
シミーフォールを活かす使い方
フォールさせるときは、ストップ&ゴーやリフト&フォールが定番のテクニックですが、ときにはトゥウィッチからのフォールで誘うテクニックも効果的な使い方です。揺れながら落ちていく弱ったベイトを演出して、ハイプレッシャーなポイントでもシーバスのバイトを引き出すことができます。
サイドフラット面を活かすドリフトでの使い方
シンキングペンシルの真骨頂とも言えるレンジコントロール性能を突き詰めたワイゾン77Sは、平面的なドリフトはもちろん、縦の攻略にもアングラーの意図に応える「扱いやすさ」があります。
着水点から即座にリトリーブを開始すれば表層を、また沈め気味にドリフトさせた場合はその下のレンジを、リップがブレーキの役目を果たすことで不意の浮き上がりを抑え、任意のレンジをキープしたままバイトゾーンへと送り届けることができます。
ターゲットのレンジを効率良く探ることができるため、その日のヒットパターンの再現性をすみやかに構築し確信に変えることができる使い方です。
シマノ ワイゾン77Sを使ったインプレッション
実際に使用して体感したインプレは、浮き上がりが少ないため、一定のレンジを探りやすいことです。任意のレンジを探れ、シンキングペンシルが苦手なアングラーでもわかる引き抵抗感があります。サイズ感のわりに基本性能高く、釣り方の幅が広がりパフォーマンスに優れている印象でした。
ジェットブースト搭載で抜群の飛距離
ワイゾン77Sの飛距離は、想像通りよく飛んでくれました。ボディ設計とジェットブースト搭載の恩恵を感じる抜群の飛距離です。向かい風でも比較的飛ばしやすい印象でした。春のマイクロベイトの季節の風がある状況でも大きなアドバンテージを作れるルアーです。風がない状況では、メーカー表記の50mを飛ばすことができます。
スイム姿勢とリップ形状が生む魅力的なアクション
ワイゾン77Sは、ナチュラルな水平姿勢のスイングアクションを実現しています。水平姿勢は、デッドスロー域でもキープできている印象です。シンキングミノーや他社のシンキングペンシルではデッドスローにドリフトをすると底をする時がありますが、それと比べてよりコントロール性に優れていると感じました。沈下速度の程度とリップの搭載で扱いやすさを感じれます。
食わせられる要素が多いルアー
飛距離・サイズ感・アクションの質・コントロール性に優れ、多くの同クラスサイズのルアーに負けない完成度があります。食わせのサイズ感やアクションでのアピールも程よく、干潟や河川での釣りには欠かせないシンキングペンシルになっている印象です。
またシーズンはベイトが成長した秋に実釣していますが、パターンにとらわれることなく食わせられるルアーです。
マイクロベイトだけでなく通年使える最強ルアー
ワイゾン77Sは「マイクロベイトパターン」の切り札という印象がありますが、魚はいる、でも食わない。食わせられない。といった場面でオールシーズン投入できる最終兵器にもなりうるルアーです。バランスよく設計されたルアーだからこそ、ベイトパターンに左右されず通年使用していける最強ルアーです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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